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March 21, 2010

「シャンハイムーン」

 昨日は、またまた兵庫県立芸術文化センターで、こまつ座の「シャンハイムーン」を観てきました。今回は1時開演なので、沿線のブラブラ歩きはなしです。帰りにホール近くのお店を少しのぞきましたが(目の毒でした・笑)。(^^

Shanghaimoon こまつ座のお芝居は一度観てみたいと、前から思っていました。西宮のホールに去年の秋から通うなか、そちらで公演があることがわかり、チケットを早々に申し込みました。それで原作本を探したのですが、安野光雅さんの素敵な表紙のこの本は、残念ながら絶版です。幸い図書館に蔵書があったので借りて読むことにしました。ところがこのお話、書店の一室で、6人の男女の会話が淡々と続きます。ざっと読んだだけでは、これのどこが面白いのだろうと思ってしまいました。
 当日、会場はさすがに賑わっていました。公演間近まで、残席があったように思いましたが。客席は思いのほかシルバーな雰囲気ですね。席は中央の4列目ですから、ずっと前方に下りていくと舞台上には、この表紙絵が描かれた幕が下がっています。

 幕が上がり、舞台が明るくなると書店の2階の一室が再現されていました。廊下を隔てた向こうには窓が見えます。まず驚いたことは、背景には何も描かれてないのですが、そのガラス窓の外は自然光で照らされているように見えました。昼間なのか、夕暮れなのか、そして雨が降り出したのか等々、照明だけで時間の経過が表されていきます。
 魯迅役の村井国夫さんが演じられる姿は、10年ほど前に一度拝見したことがあったのですが、よく通る声と美しい姿勢は変わりなく本当に素敵です。(^^
 これは当たり前のことなのかもしれませんが、増子倭文江さん演じる元舞妓だったという内山みきの、帯締を低めに締めたミセスの着物の着こなしも、意外と今では見かけないような気がしてハッとしました。魯迅の寝床を整える手際の良さにも見とれてしまいます。
 テンポの良いお芝居が繰り広げられ、確かにこれって脚本の通りなんだけど、なんて生き生きとしているのでしょう。15分の休憩をはさむだけで前・後半それぞれ1時間半ほどの間、6人の役者さんたちは途切れることなく演じ続けられます(驚)。
 
 笑いあり涙あり、終演のときには胸がいっぱいで、ロビーには足早にプログラムの売り場に向かう人の列です。吸い寄せられるように私も列に加わりましたが、前の人で売り切れてしまいました。(^^;
 劇団を今度いつ観られるかわかりませんが、次が待ち遠しいです(東京まで行くしかない?)。

 子どもの頃、うちが小さな書店をしていたとき、魯迅の代表作の「阿Q正伝」がお店にありました。子供向けの文学全集だったと思うのですが、なぜかその1冊だけ仕入れてありました。売れずにそのまま残ってしまい、まだ私はその本が読めるほどの年齢ではなく、背表紙だけを眺め変わったタイトルと作者の名前だけが記憶に残りました。
 この人間くさい魯迅のお話を、もっと若いときに観ていたらどうだったでしょうね。特別な人だから、別世界…と思ったかな(笑)。

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