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September 03, 2007

ルポ最底辺

 去年までは、町で野宿者なのだと思う人を見かけることがありました。それが今年に入ってからでしょうか、全く見かけなくなったのは。いつの間にか本当に一人も見かけなくなり、それはそれで心配になります。

 「壊れる前に…」のうにさんが紹介されていた「ルポ最底辺―不安定就労と野宿」生田武志著(ちくま新書)を読みました。8月の新刊なのに(だから?)近所の書店には置いてなく、駅前の大手書店に行って見ると最上段の棚に3列平積みになっていました。

 20年前、著者は京都の大学に在学中、大阪の野宿者の支援活動に関心を持たれ、卒業後は「プロの日雇い労働者」として生活をともにされます。
 初めて、その町に立たれたときの光景は鮮烈で、出合った人と交わされた会話とともに、その克明な記憶が、ゆっくりと目の前に広がっていきます。
 出版案内に寄せられた感想にも、立ち読みで一気に読んでしまったようにありますが、優しく語りかけるような文章にいつのまにか引き込まれていくのだと思います。裏表紙の写真のちょっとはにかんだような笑顔そのままのお人柄なのでしょうか。
 その町に「日本社会が抱える労働、差別、貧困、医療、福祉の矛盾が集中する『日本の縮図』」を見ることができると聞いた、まだ若い著者は、年月の中でそれを感じ取っていかれます。

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