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July 21, 2006

京都発

 こちらの夕刊の一面の記事です。「認知症の母殺害、被告に猶予付き判決 京都承諾殺人事件」(ashi.com 2006年07月21日)
 こちらと併せてご覧ください。「承諾殺人被告、認知症の母と心中図った経緯語る 京都(asahi.com 2006年06月22日)
  これが関西でしか取り上げられていないとしたら、悲しすぎます。

承諾殺人被告、認知症の母と心中図った経緯語る 京都(asahi.com2006年06月22日)

 京都市伏見区の河川敷で認知症の母(当時86)を本人の同意を得て殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われている無職片桐康晴被告(54)の公判が21日、京都地裁(東尾龍一裁判官)であった。「できるだけ人に迷惑をかけずに生きようと思ったら、命をそぐしかない」。被告人質問で片桐被告は、心中をはかるまでの経緯を語った。
 事件があったのは2月1日朝。起訴状や検察側の冒頭陳述によると、片桐被告は伏見区の河川敷で母の首を絞めて殺害後、包丁で自分の首を切って自殺を図ったとされる。
 前夜から、片桐被告は母を乗せた車いすを押して市内を巡った。「最後の親孝行のつもりだった」。朝になって家に帰りたがる母に、「あかんねんで、もう生きられへんねんで」と告げた。母は「そうか、あかんか。お前と一緒やで」と答えた、という。
 これまでの公判や弁護人の話などによると、片桐被告は95年ごろ、認知症を患い始めた母とアパートで2人暮らしを始め、介護しながら工場で働いた。近所では、車いすの母と仲良く買い物に出る姿が見られた。 <br>  しかし、母の症状が悪化したため昨年7月に工場を休職。介護と両立できる仕事を探したが見つからず、9月に退職した。生活保護の相談に伏見区福祉事務所などに何度か足を運んだが、結局、援助や融資などは受けなかった。
 片桐被告はこの日、「生活保護は、はねつけられたと思った。融資は保証人を頼めなかった」と述べた。「母をどこかに捨てたり預けたりすれば、自分も生きていけた。でも最後まで自分で面倒みたかった」
 切羽詰まった状況は、周囲には伝わっていなかった。親族の一人は公判で「『何かあったら連絡してくれ』と言っても『なんとかなる』と答えた。罪を犯す前に、どうして話してくれなかったのか」と証言した。
 担当だった介護支援専門員(ケアマネジャー)も情状証人として5月に出廷し、涙ながらに語った。「明るく振る舞っていたし、そこまで追いつめられているとは思わなかった。もっと訴えてほしかった」。地裁には、刑の軽減を求める近所の人ら126人分の嘆願書が出されている。

認知症の母殺害、被告に猶予付き判決 京都承諾殺人事件(ashi.com 2006年07月21日)

 京都市伏見区の河川敷で2月、同意を得て認知症の母(当時86)を絞殺したとして、承諾殺人などの罪に問われた無職片桐康晴被告(54)の判決公判が21日、京都地裁であった。東尾龍一裁判官は「結果は重大だが、行政からの援助を受けられず、愛する母をあやめた被告人の苦しみや絶望感は言葉で言い尽くせない」と述べて、懲役2年6カ月執行猶予3年(求刑懲役3年)を言い渡した。
 判決で東尾裁判官は、片桐被告が献身的な介護を続けながら両立できる職を探していた経緯にふれた上で、「福祉事務所を訪れたが相談に乗ってもらえず、生活保護を受けることはできず心身ともに疲労困憊(こんぱい)となった」と指摘。「他人に迷惑をかけてはいけないとの信念と姿勢を、かたくなであると非難するのは正しい見方とは思われない」と述べた。
 判決によると、片桐被告は2月1日朝、京都市伏見区の桂川河川敷の遊歩道で、車いすに乗った母の承諾を得て、首をしめて殺害した。片桐被告は直後に包丁で自分の首を切ったが、死にきれなかった。前日から最後の親孝行として、自分を育ててくれた場所に近い京都市内の繁華街を母親の車いすを押してゆっくり行ったり来たりした。
 東尾裁判官は判決言い渡し後の説諭で、介護をめぐる心中事件が全国で相次いでいることにふれ、「日本の生活保護行政のあり方が問われているといっても過言ではなく、この事件を通じて何らかの変化があるかと思う」と述べた。
 片桐被告の弁護人は「行政の対応にまで踏み込んだ珍しい判決。福祉事務所の対応の詳細はわからないが、少なくとも被告が『もうだめだ』と思ってしまった事実があるのは残念だ」と話した。判決を時折涙を流しながら聞いていた片桐被告は公判後、「温情ある判決で感謝しています」と話したという。
 片桐被告が相談に訪れていた、生活保護の窓口となる京都市伏見福祉事務所保護課の担当者は個別のことには答えられないとしたうえで、「最低でも30分以上は話を聴き、相応のアドバイスはしているはずだ。あくまで本人からの申請主義なので、要件が整った時に来てもらえないと、こちらから申請してくれとは言えず対応には限界がある」と話した。

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Comments

ほんまに悲しい事件です。
母親の車椅子を押して観て歩いた京都の繁華街、その男性と母親の目に、どんな風に映ったのだろう。
ふるさとを愛しているのに、愛するふるさとは何もしてくれない・・・と思ったのだろうか・・・

Posted by: 龍3 | July 21, 2006 23:58

東京の朝日新聞夕刊でも、大きくはありませんが、一定の内容が報じられています。
テレビニュースでもやっていましたね。
私の出身地・北九州市による生活保護事件も思うところがありますが、給付申請の却下や給付抑制の流れがひどくなっています。
政府は生保世帯からも医療費負担をという検討にも入っているようです。
話題の映画はまだ観てませんが、予告編で流れている台詞「生きることを大切にしない奴なんて大嫌いだ!」と、みんなで声をあげていかないと。

Posted by: tamy | July 22, 2006 00:08

>龍3さん、子供の頃から思えば、立派な公共施設が建ち、広い道路もでき、町はずいぶん便利に綺麗になったと思います。
でも、そんなものを利用することもなく、死んでいく人がいるのかと思うと情けないですね。

>tamyさん、東京版とこちらの記事の内容が違って、がっかりすることがときどきあって。

山科の訴訟を起こされた方がテレビに出てらっしゃるのは私も見ました。厳しそうだなという気はします。
不正受給の調査の話を聞いたことがありますが、それはびっくりするような内容でした。当然、それにも費用がかかっているのですから、本当に矛盾を感じますね。

そうですね、みんなで大きな声をあげていかないと!

Posted by: winter-cosmos | July 22, 2006 00:50

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