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January 09, 2006

大きな国は つよい国?

2006_01090002
 「せかいでいちばんつよい国」
 デビッド・マッキー作
 なかがわ ちひろ訳
 光村教育図書 2005年4月

むかし、大きな国が ありました。
大きな国の 人びとは、じぶんたちの くらしほどすてきなものはないと、
かたく しんじていました。
この国の へいたいは、たいへん つよくて、たいほうも もっています。
そこで大きな国の だいとうりょうは、いろんな国へ、せんそうを しにいきました。
「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするためだ。われわれが せかいじゅうを せいふくすれば、
みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな」
ほかの国の 人びとは、いのちがけで たたかいました。
けれど、 どの国も、さいごには まけて、大きな国に せいふくされて しまいました。
しばらくたつと、まだ せいふくされていない国は、たったひとつに なりました。
あんまり 小さなくになので、だいとうりょうは、これまで ほうっておいたのです。
けれども、ひとつだけ のこしておくのも きもちがわるいものです。
そこで ある日、だいとうりょうと へいたいたちは しゅっぱつしました。
 
 図書館の書架にたててあったものを、たまたま借りてかえってきました。子供のために、たくさんの絵本を描かれた作者の、強い思いをこめられた一冊なのだなと思います。続きは是非実際に読んでいただきたいです。
 ただ、読み終わって私は、妙に腹が立ってきました。
 世界を征服した国の大統領は、ベットの中にいる自分の息子に、満足そうに歌を聞かせます。世界中の戦場と化した国では、そのときどんな暮らしをしているのか・・・。

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Comments

この本、正確なタイトル、探してました。
何かの書評で読んで気になったあと、タイトルがわからなくなって。

テキトーにネット検索しても、もとの記憶があいまいでひっかからず。

明日、本屋でぜひ!ひっかかっていたものがとれた気がしてます。よかったです!

Posted by: tamy | January 09, 2006 22:45

 小さい子供に、この最後に残った小さいくにの、示すものを理解してもらうのは、難しいだろうなと思います。
 でも寓話だからとは言い切れない内容ですね。
 ぜひ、ご一読ください!

Posted by: winter-cosmos | January 09, 2006 23:59

 トラックバックありがとうございました。
 童話の形をして大人にもずしりと来る話がたくさんあるようですね。今度、機会があったら是非とも呼んでみたいと思います。

Posted by: 5号館のつぶやき | January 10, 2006 20:39

 コメントありがとうございます。
 小さな国は武力を持たず、攻め入る兵隊たちを歓迎します。そして大きな国にはない豊かな文化がそこにはありました。
 それらは帰還した兵隊たちにより、国中に広まります。征服されたのは、本当はどちらの国だったのでしょう・・・。というのが後半部分です。

 本当におとぎ話なのですが、小さい子どもたちにも考える機会を持ってほしい話ですね。

Posted by: winter-cosmos | January 11, 2006 00:09

なんだかwinter-cosmosさんのコメント読んでたら涙が出てきてしまいました。

ホント。。。そのとき他の国の子供は。。。。

全部読んでみたいです。
子供にも。。。。

Posted by: ビスケ | January 11, 2006 08:33

謹賀新年。今年もよろしくおねがいします
さてさて、雪こそないにしても寒い毎日ですね。早く春がこないかなあ。ふきのとう、たらの芽、ぜんまいわらびにこごみも・・・
そんなこと思いながら、過ごしています。
いい絵本のようですね。書店で探してみます。

Posted by: isshy | January 11, 2006 12:19

>ビスケさん、私もビスケさんのコメントを読んで、泣きたくなりました。
 あらためて絵本の力を思います。是非子供さんと読んでくださいね!

>issyさん、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。松の内(京都ではですね)にご挨拶できて良かったです。
 今日は、久しぶりに暖かくて、ちょっと一息つけましたね。
 以前、9.11をテーマにした絵本の解説に「絵本の国は、現実の圧倒的な重さの前に押しつぶされつつあるのかもしれない・・・」と書かれているものがありました。
 でも、この絵本に描かれた悲しいおとぎ話の中には、ちゃんと希望が見出せるよう、作者の優しさ、強さを感じます。

Posted by: winter-cosmos | January 11, 2006 21:52

 話の後半部分は古代のローマとギリシャみたいですね。力でギリシャを征服したローマが長い時間をかけてギリシャ化していき、しまいにはローマの都さえもがギリシャ(コンスタンチノープル)に移っていく・・・
 パックスロマーナの是非は難しいところですよね。世界が平和であるために、文化と力の両方が必要なんでしょう、たぶん・・・

Posted by: 和田歩人 | January 11, 2006 23:15

 あまり書いてしまうと"ネタバレ"のような気がしたのですけど、私、この絵本は某大国の子どもらが読んだら、ハッピーなエンディングでいいじゃない♪くらいにしかとれないのではと言う気がしたんです。
 いくら征服した国の文化が浸透しようと、痛くも痒くもありません。結局それは戦利品です(交戦はしてませんが)。
 でも、多くの支持する人がいて、ここにこの絵本はあります。そのことを私は支持します。

Posted by: winter-cosmos | January 12, 2006 00:20

一昨日ジュンク堂で立ち読みしてきました。
私もちょっと釈然としないラストだなと思いました。
でも、声なき者たちの声が、あんな風に残っていくというのは、作者の願いをこめたラストなんだろうなぁと思います。
私なら……小さな国も滅ぼしてしまったあとで、歌だけが残るっていう、もっと哀しい結末にするだろうなぁ。

Posted by: らら美 | January 13, 2006 00:14

 その人の置かれた状況で、いろんな読み方ができるのが絵本なのかな・・・なんてことも考えました。
 何にしても、読んだ子が、いつか何かの拍子にフラッシュバックのように、この絵本のことを思い出すようなことには、なって欲しくないですね。

Posted by: winter-cosmos | January 13, 2006 18:53

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