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April 14, 2005

暴力が生むものは。

 今日の朝日新聞に、戦争を生き抜いた人を対象に、「これだけは語りついでほしい」と願う体験記の、募集を始められたことが載っています。そして「生き抜いた人たち、生きた言葉」として特集記事に藤本義一さんと小林カツヨさんが体験を寄せられています。

 記事中にも書かれています「太平洋戦争末期、日本は米軍の無差別攻撃にさらされた。軍需工場だけでなく一般市民も攻撃目標となり、広島、長崎の原爆もあわせ、犠牲者は約60万人ともいわれる。」こうした数字上のことや、実際に戦場で起きたことも若い人たちに伝えていかないといけないことだと思います。
 以前の記事にも書かせていただきましたが、私の父も戦争当時外地にいて、あまりに悲惨な状況で、口に出して言えなかったと聞いています。でもそれよりも今日の記事から特に気になった所を、少し紹介させていただきます。

 藤本義一さんは「日本人は上の言うことを信じやすく、現状に疑問を抱く能力が欠けていると思うね。戦争中はあの惨禍を受け入れてしまった。終戦で価値観が180度変わってもすんなり従う。今、自衛隊がイラクへ派遣されても、国際貢献だと政府が言えばほとんど抵抗もなく受け入れる。一たび撃ち合いになれば戦争になる危険をはらんでいるのに。(中略)戦争は極悪な欲望の実現以外の何物でもない。過去に『自衛』の名で悲惨な戦争が繰り返されたことを絶対に忘れてはいけない。
 現状をうのみにせず、自分で考えることが大切だと思う。」
 そして小林カツヨさんは当時七歳で、大阪大空襲も経験されたそうですが「当時は怖くなかった戦争が、いまはすごく怖い。『改憲』や『自衛隊派遣』の声が耳になじんできたけど、私にはそれが『空襲警報』の声と同じに聞こえる。国民を慣れさせといて、また火の海に突き落とされる気がしてならない。」と書かれています。

 連日伝えられる中国での反日デモのニュースを聞いていると、こんなにいいお天気なのに、今が春だなんて思えなくなってきます。そう言えば母が言っていました。戦争中は夏に長袖の黒い服を着ていても、暑さも何も感じなかったと。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

TB感謝。
自衛権や憲法問題に関しては、客観的に捉えなければいけないというのが私の考えです。
日本国民、十人十色、皆が積極的に発言しあっていけることが理想的なのではと思います。東西問題が解決しても、民族、宗教といった新たな国際紛争が表面化している昨今、武力を前面に出し緊張状態で国家間のバランスを保つ(互いに核を向け合う)ような状態は、健全とはいえませんよね。

Posted by: まーどんな | April 15, 2005 at 11:02

>日本人は上の言うことを信じやすく、現状に疑問を抱く能力が欠けていると思うね
本当にそう思います。みんなと同じであることで安心する・・・非常に危険だと思う。
ちょっと違うことかもしれないけれど、思い出したので・・・
以前、CNN(だったと思う)の番組でやっていました。
ひとりの子供が、「本当にイヤなことはやらなくていいってお母さんが言った!」と、お絵かきの時間だったか何かだけれど、一人席で何もしないで座っていた。もちろん先生も無理にみんなと同じ事はさせていなかった。
本当にイヤならば、みんなと同じ事はしなくて良い。ただしその時間に好きなことをしていいわけでは、ない。やらないだけ。
とても単純なことだけれど、ちょっと驚いたのと、大切なことだと、感動した。

ドイツがナチスの悲劇のあと、人と違うと感じる感性を育てる教育をしたと何かで聞いたことがあるけれど、みなと同じであることに安心感を覚える危険を、考えさせられました。

Posted by: yukidarumako | April 15, 2005 at 12:21

 あまりお返事になっていないかも知れませんが、また、まとめて。http://www.asahi.com/paper/editorial20050413.html
 13日の朝日新聞の社説「事実を伝えてほしい《中国の報道》」に「愛国教育などによって、多くの中国人は侵略当時の日本軍の写真や映像を繰り返し見ている。その半面、武力による紛争解決を禁じた憲法を持ち、核兵器は持たず、戦争に加わることのなかった日本の戦後史はほとんど知らされていない。
 靖国神社や一部の歴史教科書の問題ばかりが強調される現代日本への認識には、相当な偏りがあるのではないか。」と書かれていました。
 
 現地にいらっしゃる邦人、日系企業にお勤めの方などは、大変な思いをされていることでしょうし、まず一刻も早い事態の収束を思いますが、でもそのためにも靖国神社参拝や歴史教科書の問題についても、むしろ私らがもっと真剣に考えるときなんだと思います。今回の反日デモはもちろんそれだけが原因だとは思いませんが。
 そして今回の事で自分が慣らされてしまっていることを、改めて知らされたような気がしました。

 ブログと言う手段を使って、立場や場所を越えた人の考えを、こうやって知ることができると言う事が本当に心強く感じます。
 疑問に思ったことを出し合うことで、違った見方や考え方を聞かせていただけることに、自分自身、軌道修正していくことができる安心感を感じます。

Posted by: winter-cosmos | April 15, 2005 at 20:40

再びです。うちの母も空襲を体験者(多分カツヨさんと同じくらいの年)で当時の話を聞いたりしていたこともあり、思わずコメントさせていただきました。
今はアメリカに暮らしていて、戦争を行っている国にいるという意味で複雑な心境なのですが、本当に海外に住んでいてもなし崩しのように進んでいく日本の方向ちょっと心配になります。子供を持ってなおさら反戦の気持ちが強くなったということもあるかもしれませんが、うちの母がいつも言っていた「戦争から生み出されるものは何もない」ということを改めて感じます。なし崩しでの自衛隊の派遣など、とても怖いですね。

Posted by: cinnamonspice | April 16, 2005 at 16:26

 エントリーをアップしてからいろいろ思い出しました。
 私が子どもの頃、家に防空壕のあとが残っていました。京都の町で、母や祖父、祖母が、空襲に逃げまどうようなことはなかったのですが。
 うちの母は、開戦の頃女学校に通っていました。英語を家庭教師の先生にみてもらったとか、英語の先生が授業中に「この戦争は必ず負ける」とおっしゃったとか、私が思っているだけかも知れませんが、当時としては開かれた教育を受けていたように思いました。
 それでも、防衛大学を当時の士官学校のように名誉なことだ、と言ったことがありました。
 うまく言えないのですが、戦争で辛い思いをしていても、受けた教育による価値観は変わらないことを感じました。

 今、おっしゃるとおり、何もかもなし崩しにすすんでしまうことが本当に怖いです。
 中国で起きていることを無視して、改憲がすすめられるなんて本当にとんでもないことだと思います。
 私らの声が届き、わずかでも力になることを思います。
 

Posted by: winter-cosmos | April 16, 2005 at 23:23

祖母が東京大空襲の経験者でした。
どんな戦争の話よりもリアルに体験した祖母の話が一番私の中では残っています。子供の頃は家の付近にはそこら中に防空壕の跡が残っていました。
決して戦争は遠い昔のことではないと子供心にその薄暗い、じめじめとした壕を見る度に思ってました。
今では跡形もなく消えてしまい、埋められたその上に
マンションが立ち並んでいます。
時間と共に変わりゆくのは仕方ないことだけれど
知っておかなければならないことも、忘れてはならないことも風化しないようにしていきたいと思います。

Posted by: himawari | April 17, 2005 at 08:30

 子どもの頃は、戦争の名残を感じるものを目にすることも、耳にすることもありましたが、もう終わったことだと思っていたので、怖いなんて感じたことがありませんでした。
 それが年月がたてばたつほど、その痛みがうすれてしまったかのように、もとの方向に進んでいるように思えます。
 実際に体験された方から聞かせていただく話ほど、訴える力のあるものはないでしょう。ぜひhimawariさんからも子どもさんたちへと伝えていっていただきたいと思います。
 
 

Posted by: winter-cosmos | April 17, 2005 at 09:27

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