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November 29, 2004

本屋のオバチャン入門

 母が趣味が高じて自宅で小さな書店を営んでいたのは、やはりずいぶん前の話です。

 母は商売人ではまったくありませんでした。他の商売と違って、お愛想をしないでも売れるから、本屋はいいな何て事を言っている人がいました(この言葉は母に言われたものではありません、念のため)。

 仕入れに関する事は、当時と今ではかなり事情が違うでしょうし、何分子供だったので、私自身がよく理解してなかった事もあるかと思います。その点はお許しください。

 とにかく利益が薄いです。十冊仕入れて、九冊売れても、一冊万引きされれば利益はありませんでした。
 売れなくて返品する時は、割り引かれた金額でしか引き取ってもらえません。返品できない「買い取り」の本もあったと思います。

 今と内容の線引きがずいぶん違ったんだろうとは思います。手塚治虫さんの、当時はタブー視されていた内容の漫画が初めて掲載された週は、何か警戒してか、その雑誌は一冊も売れませんでした(他店の事はわかりません)。売れ筋の雑誌だったので、驚きました。

 悪書追放運動なんて言うのが、当時ありました。その悪書に限って、よく売れました。
 それよりも良い本で売れるものを仕入れる力が、うちのような小さな書店にはありませんでした。

 15年くらい、何とか続けていましたが、書店の大型化の波を感じてお店を閉めてしまいました。

 私が学生の時に初めて行った、絵本の専門店は健在です。お話した事もないのに、大変失礼かとは思いますが、とても嬉しくなりました。

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